10.終わりよければ全て良し?

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などと感傷にひたるヒマもなく、うるさい二人に連れられてやってきた藤沼の家。 あいかわらず広いわ。 おまけに殺風景すぎる。 「うわぁ、みごとに何もないな。こんなとこで一人なんて寂しすぎるだろ」 リビングにダンボールを積み上げて、真人が言った。 やっぱ皆、思うことは同じだな。 「ナオずっとここ住めよな。 ……いいよ、二人暮らし」 真面目な顔から一転、幸せそうな笑顔に変わる。 真人がいなかったら、真人が男と付き合っていなかったら。 俺が藤沼と付き合うことはなかったと思う。 真人と早坂さんを見ていて、なんていうか、幸せそうだなって思った。 世間体とか当たり前ってやつに縛られずに、一緒に居たいと思う人と一緒に居る。 ただそれだけのことなんじゃねぇかって。 そう思うようになった。
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