10.終わりよければ全て良し?

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「……何騒いでんだ? うるさいぞ宮下」 うぉお!天の助け。 神様、仏様、早坂様だ。 「なんだコレ?」 俺と真人の間でぐしゃぐしゃにされていた紙袋。 止める間もなく、早坂さんの手に渡ってしまった。 「……宮下」 ちょっと、これはヤバイんではないでしょうか。 なんつうか、声が低いんだけど。 空気凍ったし。 天使が来たと思ったら、一瞬で悪魔とか。 笑えねぇ。 「あ、先輩、その、それ……」 途端に真人が慌てだす。 そりゃあ気まずいだろうよ。 あわれな奴。 「ナオにあげようと思って。ほら、引越し祝い。いるでしょ?」 慌てふためいたかと思ったら、一転して開き直りか? 胸張って得意気に言わないで欲しい。 お願いだから早坂さん、そいつごと持って帰ってくれ。 俺の願いが通じたのか、くるりと振り向いた早坂さん。 無言で近づいてくると耳元でそっとささやかれた。 「あいつバカだけど、言ってること間違ってないから。取っといて」
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