10.終わりよければ全て良し?

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俺の背後をのぞきこもうとする藤沼をなんとか交わす。 やばいやばい。 これ、なんとか隠さねぇと。 笑顔を作りつつ、ほんの少し後ずさる。 ふっと手の中が軽くなって振り向くと、祐希が袋を持っていた。 ナイス祐希! そのままどこかに隠して…………って、アホかぁ!! 「何渡してんだよ! ぁあ、中見るな!」 ほっとしたのも束の間、事もあろうに祐希の奴、ほいっと紙袋を渡しやがった。 釣られて中をのぞきこんだ藤沼が、一瞬首をかしげてから固まる。 ……うん、何かわかるよな。 高校生だしな。 見たことくらいあるだろうよ。 使ったことも、ある、かもな。 「な、な、な、何これ? え? なんで? センセー」 あたふたと周りを見回す藤沼の視線が、俺のところで止まった。 俺じゃない! 断じて俺が買ったんじゃない! 「あ、それナオの引越し祝い。使ってねぇ」 ブンブンと首を振る俺の後ろから、明るい声が響く。 真人、だから高校生なんだってば。 頭痛ぇ。
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