10.終わりよければ全て良し?

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「……使ってって、え、俺、そんなことっ」 しばしの沈黙の後、ボンッと火がついたついたように真っ赤になった。 耳まで赤くした藤沼が、泣きそうな顔で俺たちを見る。 袋を持った両腕をめいっぱい伸ばして、困り果てていた。 あぁよかった。 こいつはまともだ。 これが高校生の反応だろう? でもな、その顔はやめてくれ。 俺に助けを求めるな。 今ここで、こいつらの前でその袋を受け取る勇気は俺にはない。 だってほら、二人で使いますって感じだろ? 使わねぇけど、今はまだ。 でもまぁ、いずれは……っつうか。 違う、違う。 そういうことは考えるな。 「そろそろ帰るぞ。祐希君も、お邪魔だから…………これ預かっておくね」 するっと動いたのは早坂さんで、藤沼の手から自然な流れで紙袋を持ち去っていく。 そのまま真人と祐希を連れて部屋を後にして、パタンと音を立ててドアが閉まった。 残されたのは俺と藤沼、ただ二人。 それとかなり気まずいこの空気。 どうすんだよ、オイ。
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