6633人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、その、なんだ」
沈黙に耐え切れなくて口を開くが。
開いてはみたものの、何を話していいのかわからない。
困ったな。
あいつら今度会ったらただじゃすまさねぇぞ。
「おまえまだ高校生だし、まわりはいろいろ言うかもしんねえけど……」
あー、頼む。
じっと見るのはやめてくれ。
顔が熱い。
藤沼の赤さが俺にまで移ってきたようだ。
高校生ならまだかわいいが、大の大人がこれはねぇだろ。
「だから、つまり……卒業するまで待つから」
何をだ!?
何を待つんだよ、俺。
顔の熱さと、藤沼の視線に耐え切れなくて、首を回す。
うん、全く意味はない。
そもそも藤沼にそういう気があるのかないのか。
まぁ、あの赤い顔を見れば、全くないということでもないだろうな。
たぶん。
「センセー、かわいい」
……は?
今、なんつった?
最初のコメントを投稿しよう!