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伝説だとか噂だとか、根拠のない話は大嫌いだ。
そんなもんに振り回されて、喜んだり悲しんだり。
何が楽しいのかさっぱりわかんねえ。
「それは……ない、けど」
ほらみろ。
所詮、くだらない妄想だ。
「まぁ、高校生くらいなら信じちゃうのも仕方ねえけどな、……」
「事実だぜ」
藤沼を諭してやろうとした俺の言葉を遮るヤツがいる。
だから、人が話しているときに割り込むなっつうの!
「は?お前見たことあんのか?」
振り返って後悔した。
祐希のヤツ、すっげえニマニマした顔で、それはそれは楽しそうだ。
「俺」
にやけたイケメンが、己を指差す。
「は?」
「だ、か、ら。俺だってば」
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