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「ま、そういうことだから。お二人さん仲良くねー」
俺は帰るわ、と祐希が立ち上がる。
コラコラ、俺を置いて行くな。
「センセー、家どこ?」
祐希の白衣を掴んで一緒に立ち上がると、俺の腕にからみついて藤沼まで立ち上がった。
芋づる式だな、おい。
「ナオの家はなぁ……」
祐希の言葉に、藤沼が近寄って行く。
個人情報だぞ、ふざけんなと思いつつも、せっかくの機会なので逃げ出すことにした。
部屋の入り口に置いていた鞄を掴み、鍵を開けて、サヨウナラ。
おっと、その前に。
「ルールを破るのは嫌いだから付き合ってやるがな、お前もきっちりルールは守れ」
ビシッと指を突きつけて、宣言する。
後ろ手に扉に手をかけて、飛び出す準備もばっちりだ。
逃げ腰だってか?
上等だ。
「俺は教師だからな。あきらかに校則違反してるようなヤツと一緒に歩けるか!出直してきやがれ」
捨て台詞を残して準備室を後にする。
ああ、清々した。
さっさと帰ろう。
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