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体感で100メートルくらいは降りただろうか?
見えたのは階段の終わりと愛犬ラブの後ろ姿……と、骨?
骨?がボロボロの剣を持ち、それに向かって愛犬ラブが吠えまくっている。
骨……スケルトンか……
そいつは、ラブに向かって歩いているようだが、まるでそこに見えない壁でも在るかのようにそこから先へは進めないようだ。
「ラブ?」
「ワフッ!」
とりあえず危険は無い、そう判断した俺はラブに声を掛ける。
俺を認識したラブは、一度俺に視線を向けて返事をすると、再びスケルトンへ向けて吠えまくる。
どうやらあの骨がお気に召さないようだ。
何故、俺が骨をスケルトンと断定し冷静でいられるのか?
普通ならば、腰を抜かして悲鳴の一つでも上げるのだろうが、骨くらいでは俺は気にもしない。
何故なら俺……
一度、異世界を救ってますから……
詳細は端折るが、異世界の女神に呼び出され、なんやかんやして異世界を救い、その後元の世界に戻して貰ったのだが……
戻った世界は、俺が居た時代から二十年ほど未来の世界だった。
女神に元の時代に戻してくれと頼むが、時間の管理は別の神……確かそんな事を言われ、どうしても無理らしいので、新しい戸籍と金をくれと頼むと、
それならば、
と快諾した女神に頼んだ物を貰い今に至る。
やっと、ファンタジーな世界とはおさらば出来たと思っていたのに……
今、俺とラブが居るのは間違い無く『迷宮』、所謂ダンジョンであろう……
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