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「出口が無い!出口が無かったら、入り口を探せばいいじゃないの!」
いや待て俺、冷静になれ。
ダンジョンとは、通常出口も入り口も一つだ……
では何故出口が消えているのか?
考えられることは、クリアしなければ脱出出来ない系のダンジョンか、若しくは本当に別の出口が有るのか……
うん、考えてもわからん。
考えてもわからんけど、現状言えることは俺もラブも腹ペコだと言うこと、ちょうど飯前だったので当然のことだ。
そして、このダンジョンに閉じ込められたであろう事を考えてみる。
うん、最悪飢え死にする。
ヤバい、非常にヤバい。
俺の持ち物……
スマホ、スケルトンの剣、懐中電灯、のびのびのロンT、カーゴパンツ……
当然食糧は無い。
ラブの持ち物……
首輪、ホネ……ホネ!?
さっきのスケルトンの骨だろうか?
ちゃっかり自分のおやつはゲットしていた……流石は俺の娘。
「ラブ、自分だけおやつとか、父ちゃんそれはどうかと思うんだが?」
そう言うとラブは、垂れた耳を余計に伏せ、バキリと骨を半分に噛み割ると半分を俺にくれた。
「ラブ、父ちゃん……骨は食べられないから、食べたければ一人でお食べ……
せっかくくれたのにごめんな」
ラブは複雑な表情を浮かべ、それでも尻尾を振って嬉しそうに二つに割れた骨を喰わえた。
俺は飢え死にしても、ラブは飢え死にだけは大丈夫な気がする……
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