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十六夜が教室を出ようとドアに手を掛けた所で「忘れてた」と振り返る。
「春風、職員室までこい。
それと無学(むがく)と伊原(いばら)の2人も頼む、来月の事で2人に話がある」
告げて教室を出ていった。
すると優輝の後方から2人の男女の声が耳に届いた。
「また居眠りで呼び出しかよ? バカだな~。
せめても起きとけよ~」
「ね~。やっぱり優輝バカなんだよ」
言って優輝をバカ呼ばわりしながら親友、無学 政人(まさと)はワックスで綺麗に整ったショートヘアーを気にする様子で右手で触りながら近づく。
政人と優輝は1年生の時から同じ寮で暮らしている内に仲良くなり、親友と呼べる程になった。
そして政人の少し後ろを、色素の薄い白い綺麗な肌の少女、伊原 愛里(あいり)が、髪の毛をふわふわと揺らしながら歩く。
彼女は、2年生になってから優輝、政人と出会いそれからと言うもの「この3人で居ると楽しい」と、いつも一緒に行動する様になった。
「バカにすんなよな」
あきれた様に言うと、「先生の所いくぞ~」と席を立ち、2人の間を抜けて歩き始めた。
「あ、優輝まってよぉ」
愛里の言葉を合図に、政人と愛里も足を動かし、優輝の横に並ぶ。
そして、3人で話しをしながら職員室へと足を進めた。
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