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 遠くで時計のアラーム音が聞こえている。  まだまどろみの中にいた俺は重たい瞼を何とか開き、徐々に意識が覚醒してくると、自分がどこで眠っていたのか思い出してきた。    上半身を起こすと広いベッドには自分のみで、ホテルの室内も物音一つせず、人の気配もない。  まだぼんやりする頭のままベッドの横のサイドボードに目をやると、メモがあったので手に取った。 『良かったわよ。また会いたいわ。電話ちょうだいね』  そんなメッセージと共に、昨夜ベッドを一緒にしていた名前も知らない彼女の電話番号が書かれていた。  俺はそれを右手で握りつぶすとそのままゴミ箱へ投げ捨てて、ベッドから抜け出すとベッド横に落ちていたシャツを拾い上げてシャワールームへと向かった。
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