1人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だ、また外泊か?」
「別に良いでしょう?非常時でもないんだし」
ヤンがやれやれと呆れた顔をしたので、俺は説教はごめんだと、足早にその場を逃げるように立ち去った。
支社には宿舎があり、隊員は基本宿舎で寝泊まりする。
家族があり自宅がある者などはその全てではないし、外泊しても罰則などは無い。
今は非常事態でもないし、任務と言っても護衛任務やオリンピア船団の進路の偵察などが中心のうちの支社はかなり緩い。
声をかけてきたヤンは俺より5つ年上の、配置換えで俺が今の部署に異動する前の元上官だ。
ヤンは面倒見の良い人で頼れる兄貴分。
荒れた生活をしている俺を心配して何かと声をかけてくるのも分かるが、その優しさが俺には辛かったりもする。
何事にも真っ直ぐで、自他共に認める愛妻家で、そんなヤンが羨ましくもあり眩しかった。
最初のコメントを投稿しよう!