第一章 ~ 憧れてしまったんだよ。もう止まらない ~

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     2 「じゃ旅の準備をしないとね」  ミドル兄さんはさらさらの金髪を風になびかせながら、部屋を出ていった。  やった! ミドル兄さんと二人きりにゃ。  デートだ、デートだにゃ。 ☆ 『ピックル、今夜は寝かさないよ』 『うんミドル兄さん……』 ☆  な~んて、な~んてにゃ。 「ラリラリラ~ン♪にゃ」  旅支度、旅支度にゃ。  やっぱり、勝負下着は外せにゃいよね。  ミドル兄さんはどんなのが好みかにゃ? 「ピンクの水玉が好みだな」 「そっか、水玉か~って、誰にゃ?」  振り返ると艶のある真っ黒な毛並みをもつ、黙っていればイケメンカラス狼のジャックが窓にもたれ掛かっていた。 「ジャック、窓から入らないでって、何度言えばわかるにゃ!」 「いいだろ。減るもんじゃなし。それより下着掲げて何ニヤついてるんだ?」 「ばっ、何覗いてるにゃ。えっち!」  見ていいのは、ミドル兄さんだけにゃんだから!
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