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「特にはないけど。普通でいいのよ。チャラ男とへら男でなければ。イケメンとか高収入とかには、ぜーんぜん、こだわらない。一緒に居て楽しい人。他には望まない。でもねえ。思ったんだけど……街コンに参加する人って、個性が強すぎる人が多い気がする」
「ええ。そうね。ユニークな人が多いかも」
「ユニークって、変わり者って事でしょ」
「そう言っちゃうと、あれだけど……」
『いよっ! おねいさん。その服、可愛いいっすね』
「あら、ありがとう。あなたの長靴もステキよ」
『な、ながぐつとちゃいますよ、おばさん。ウエスタンブーツ。そこんとこヨ・ロ・シ・ク』
「んまあ、オバサンだって。ねえ、聞いた?」
「う、うん。ああいう小僧から見れば、あたし達は、おばさんなのかも。智美の彼氏は、どんな人?」
「あたしはフリーよ。だから、こんなバイトが出来るんだし」
「そう。でも、ガールズバーなら、たまには、かっこいい人も来るでしょ?」
「そりゃ、まあ、たまにはね。でも、そんな人って、みんな売約済みなの。大抵、彼女から連絡が入って、途中で出て行っちゃうわね」
「でも、少しだけでも普通の男と話が出来ればいいなあ。ねえっ、あたしも、やってみようかな?」
「ええっ? それは、いいけど……でも、ユリは交際相手が欲しいんでしょ? だったら、その前に、その衣裳を見直せばいいんじゃない?」
「えっ? これ? 可愛くない? 赤いスカートで女子を強調してみたんだけど」
「そうじゃなくて、中に着てるもの。スカートをはけば、女らしいってもんじゃないでしょ?」
「ええ。もちろんよ。だから、今日はフリル付きの赤い勝負パンツを」
「違うっ! そこじゃなくて、その、ど派手なカッパの着ぐるみ! 普通の男は、それで引いちゃうのっ!」
―了―
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