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「ふうっ、変わってないわね」
彼女は作品の投票ポイントを見ながら溜め息を吐いた。
「このままでは決勝に残れないじゃないの。しようがない。奥の手を使おう」
彼女は、もう1台のスマートフォンをバッグから取り出した。
「今日のアカウント名は……そうね。この前の、その前に使ったグロリアシエロにしよう」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
再度レビューします。
ジュリアンコさんの『ゾンビを喰らう女』は、最高です !!
ジュリアンコさんの作品には人を惹き付ける魔力があります。
グロさもエロさも、ほどよくミックスジュースだし、その上にエグいです。
ほんっとに才能盛り盛りなクリエさんですね。
早く書籍化して欲しいです !
グロリアシエロ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「こんなもんで、いいわね」
彼女は、投稿ボタンをタップした。
「ちゃんと投稿できたかな?」
オッケー ! これで良し !
コメントが掲載されたのを確認し、彼女はニンマリした。
「さてと……まずはパソコンからコメントスターを付けて……と」
独り言を呟きながら、彼女はグロリアシエロのコメントにアクセスした。
コメント欄左下の☆マークにポインタを重ね、マウスをクリックする。
コメントスターの数が1と表示された。
彼女は、2台目スマートフォンを手に取り、グロリアシエロ当人のコメントにスターを付けた。
☆の脇の数字が2に変わる。
「さてと……次はジュリアンコの応答コメントを書かなくちゃ」
彼女は、メインのスマートフォンから、グロリアシエロ名で投稿したコメントに返信コメントを付けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつもありがとう!
読者の皆様に楽しんでもらえるように全力をつくしんぼっ !
ジュリアンコ
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そうそう。コメントスターを付けて……と。
☆の脇の数字が3に変わる。
オッケー ! 3になれば、誘い水は完了。さあ、あたしのファン達、頑張って!
コメントスターをどんどん付けてちょうだい。
人気のコメントに押し上げて!
なんでもいいから、応援コメントも付けて!
ほどなく、☆の脇の数字が4に変わる。
来たっ!
そうよ。その調子よ。
みんなの応援でジュリアンコの作品を盛り上げて! お願いっ! この作品をコミカライズに持ち込めれば……あたしの夢が叶うの。
ピロリ~ン
メールの着信音が響いた。
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