第4章~普通~

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保健室の先生と会話するようになり私は気が少しだけ楽になれた。 けれども私のこの状況はどうにもならない事。 今は家庭問題はよく取り上げられていたり対処されているが、少し前は無関心だった。 みんな知っていても踏み込んではいけないような問題だった。 世間は本当に冷たいと思った。 中学生になる頃、母のヒステリックは酷くなった。 近所の人からも嫌な目で見られるようにもなった。 相変わらず私の痣は消えない… そして教科書や荷物を何度も捨てられた。 学校にも行けないし… 近所の人に会うのが恥ずかしかった。 狭い島の中の生活なので噂もあっという間に広がる。 冬場になると私は寝間着のまま朝から夜まで外に出された。 何も羽織るものは無く雪の日も雨の日も…ひたすら凍えながら親が落ち着くまで庭に座って待つ。 空腹と寒さはとても辛かった。 ぼーっとしながら私は空を見る。 そんな毎日を過ごした。 中学1~2年はそんな毎日を過ごした。 そして三年になると受験だったが私は行く気はなかった。 だから勉強もしなかったし一刻も働いて逃げたかった。 でもそれも叶わず無理やり高校に行かされる。 ようは裏口というやつだった。 私はとある女子高に行かされた。
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