それぞれの思い

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 しかし。  ジョイスにとって頼れる父親のようなイーヴンは、側にいて欲しい存在だ。  再婚を考えた事は無いが、身近な家族として大切な人だとジョイスは思っている。  ジャミーの言う通り、魔法の枝でグリーンランドを目指す事も考えなかった訳ではない。  ただ、グリーンランドの魔術師インギビョルグと、バスクの民から言われた言葉を、じっくりと考えたかったのだ。  果たして自分は欲張りなのか、と。  そして自滅する程欲が強いのか、と。 「イーヴン先生。」  ジョイスは側にいる副船長に声をかけた。  と同時に影から様子をうかがっていた三人も、いきなりの急展開に息を飲んだ。 (イーヴン先生が新しいお父さんになりませんように!)  ジャックは必死に祈った。 「私は……会社を大きくしたいがために、欲に溺れているのでしょうか?」  予想外の質問に三人は派手にずっこけて、ジョイスとイーヴンに見つかってしまった。
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