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イーヴンを引き止めようとするジョイスをトマは止めた。
「イーヴン先生だって、ひとりの男だ。今はそっとしてあげて。」
「……そう、でしたね。」
大切な人を傷つけたショックで、ジョイスは涙がこぼれそうになった。
「先生はムスリム(イスラム教徒)だから、お酒が飲めないけど……たぶん大丈夫。アベバがいるから。彼、慰め上手で、僕もアベバに助けられたひとりだから。」
そしてトマは大好きだった兄貴分の死を聞いて、名誉な戦士の死だと称え、星になったとアベバが言ってくれた事を語った。
「今から思えば、アベバは熱帯地方の星を指していただけかも知れないけど、僕とカテリーナはその言葉に救われたんだ。」
「まあ……! そうだったのね。」
ジョイスはまたひとつ、仲間達の事を知って嬉しくなった。
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