呪われた誕生

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 そして二人はバラモンの家へ向かった。  すでに主人から話を聞いていたらしい妻は産床を用意し、お湯とハサミと純白の絹を並べ、産婆も待機していた。 「女神様、このお薬をお飲みください。」  バラモンの妻は、怪しげな色と香りがする、熱い飲み物を彼女へ差し出した。 「お産を促す薬湯です。どうかご安心なさいませ。」  彼女は目を閉じて息を止めてから、ぐっと薬湯を飲み込んだ。程良い温度に冷めていて、口をやけどする事もなく、薬湯は彼女の胃袋へ収まった。  それから数分後。  突然、彼女は産気付き、産床へ導かれてからも産みの苦しみに身悶えた。  それをバラモン夫婦が押さえ、産婆は息を整えるように叫びながら、お腹の子供を絞り出すようにマッサージを続けた。  苦闘する事一時間。  元気な産声をあげ、ひとりの女の子が生まれた。  真っ赤な小さい体と母親をつなげるヘソの緒を切り、産湯で洗い清めると、右腕の上辺りに白い鹿の形をした痣が浮かび上がった。 「間違いございません。この子は白き牝鹿の生まれ変わりでございます。」  産婆は大切に赤ん坊を絹でくるみ、バラモンの妻に渡した。
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