呪われた誕生

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 喜びにわくバラモン達を涙目で見つめながら、彼女も我が子を一目見たいと思いはじめた。  しかし、出産直後の彼女は息をするのが精一杯で、ほとんど声を出せなかった。 「女神様。あなたのお名前を聞かせてください。」  バラモンの問いかけに、彼女は息も絶え絶えに答えた。 「……ジ、ジョイス……。」  するとバラモンは片手に持った鉈を振り下ろし、彼女の頭をかち割った! 「“天空”から来た淫乱な邪神め。白き牝鹿さえ手に入れれば用はない。産婆、この亡骸を焼き捨てろ。」 「心得ました。」  産婆は金貨を一枚もらうと、彼女の亡骸を粗末な布でくるみ、引きずりながら出て行った。そして自分の家の庭で亡骸を焼き、その灰を川へ流した。  こうして。  生まれた女の子はジョイスと名付けられ、流血と野心が付きまとう人生を送る事になった……。 (了)
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