ひとめぼれ。 Side-S

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――― ―――― ―――――  僕たちには、年上の婚約者がいる。幼い頃から決まっていた事だ。  初め、嫌悪感しか抱いてなかった。  僕たちの間に、誰かが入るだなんて考えられなかったから。  でも、写真を見て。そして、本人に会って気が変わった。  あんな、心が綺麗な人に会ったのは初めてだったんだ。  彼女は僕たちの周りにはいない人だ。  だから、僕は彼女に恋をした。  自分の気持ちに気づくまで、時間はかからなかった。  だって、僕の・・・嫌、僕たちの顔はお互いに真っ赤だったんだから。  絶対に、婚約者として受け入れて貰う。  例え、周りがなんと言おう関係ない。 ――――― ―――― ――― 「そ、そんな!お父様っお待ちください!わたくしっ!!お父様?お父様ぁっ!?」 「あ。電話終わった?」 「自分の身の程を知ったって感じだね」 「「今後、僕たちの前に姿、現さないでね?じゃないと、次はないよ」」  桜さん以外の人間なんて、僕は興味がないんだ。  彼女さえ、僕の側にいてくれたら。これほど、嬉しい事はない。  絶対、彼女を手に入れて見せる。  例え、これが狂気だったとしても・・・  貴女は、僕の唯一な存在なんだ。――――桜さん。  どうか、僕を受け入れて・・・・――
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