ひとめぼれ。 Side-S

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ひとめぼれ。 Side-S

「気持ちは嬉しいんだけど。僕には、心に決めた人がいるんだ。ごめんね」 「わたくしでは、ダメだと言うの!?わたくしを誰だと思っていて!?」  あー、このやり取り今日で何回目だっけ?  自意識過剰な令嬢が多いな・・・。  大体、藤崎より格下が、なに粋がってんの?バカなの? 「お父様に言えば、貴方なんてどうにでも出来ますのよ!?」  出来ないと思うけど? 「君のお父さんって、FUZISAKIの重役だっけ?」 「そうですわ!!」  うわ~、バカだ。呆れて物も言えない。 「僕、FUZISAKIの人間だけど?知らないのかな?」 「・・・は??何を言ってますの!?そんな訳ありませんでしょう?」 「うーん。ここまでバカとは」 「な、ななな、なんですって~~~!!」 「君さ。藤花の称号も貰ってないのに、自分がさも格上って考え止めた方がいいよ?あぁ、まそんな事も分かってない成金には、分からないと思うけど。僕の家から言わせれば、君は格下なの。分かるかな?あー、分からないか?バカだもんね?あはは。だから、君の父親には、僕をどうこう出来る力はゼロ」 「そんな訳ないでしょっ!!」 「ふふ。なら、今ここで父親に電話して聞いてごらん?」 「言われなくてもっかけるわよ!!今に見ていないさいっ!!」  さーて、僕も電話しちゃお!  あー、楽しみ!! 「今さ面白い事になってるから、おいでよ」 『空、告白は?』 「ん。今、その告白受け中なんだけどね。流れでさ」 『あぁ、なるほどね』 「だから、おいで?」 『楽しそうだね。すぐ行くよ』  さぁて。そろそろあっちも終わったかな? 「お、お父様!お待ちください!!」  あれ?まだ終わってなかった。  あ~ぁ、でも、顔が真っ青だから、そろそろ終わるかな? 「・・・空」 「待ってたよ」 「顔がにやけてる」 「ふふ。だって、これから面白い事が始まるんだよ?笑っちゃうくらいにね」  あの人以外の人間なんて、僕たちの視界に入らないんだから。
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