終わりの始まり

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俺の両親は事故で他界。一人っ子の俺には兄弟もいなくて 友達なんていやしないし、 こんな俺に彼女なんて出来るはずもなく 俺は一人寂しく死ぬのだ。 腰に巻いていたベルトを外して、天井からかけて輪っかを作った。 そして、躊躇する事無くベルトに首をかけて長さを調節し、 俺は首をつった。 俺は今日、30歳の誕生日に、1人で、この部屋で自殺をしたのだ。 初めは息が出来なくて苦しかったけど、 あっさりと意識は消えてしまった。 そんな時に、フラッシュバックしたかのように 忘れていた昔の記憶の映像が流れだした。 転校して新しい小学校に入ったばっかの時だった。 まだ友達もいなくて、公園で初めて会った女の子とかくれんぼしてて、 鬼になった俺は女の子をなかなか見つけられなくて、 見つけられないまま、家に帰ったんだ。 その数日後に、テレビで、その女の子を見たんだ。 行方不明になっていた女の子が林の中で、男に乱暴されて無残な姿で見つかったとか。 自分が死ぬ事に後悔なんてしてないけど、 でも、あの時、 確かに俺は悔しくて、後悔でいっぱいだったんだ。
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