《はじまり》

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と言うと 「母さんは化粧に時間がかかるからな。」 と甘党な父がココアをすすりながら言った。 僕は部屋に戻りクローゼットに掛けてある制服を手に取った。 ブレザーだ。 本当は学ランの第2ボタンに憧れていた。 だから第1希望は制服が学ランの南空(なんくう)高校にしたのに、僕が合格したのはブレザーの鈴海(りんかい)高校だった。 学力的には申し分なかったのに、僕はその日、国語の解答欄を全てずらして書いていたのだ。
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