過去

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  ある日、クラスの女子が一人、行方不明になったのだ。 彼女――下山ありさは、普段必ずどこに行くにも親に行先を告げ、夕方5時までには帰ってくる子だった。 しかしその日、彼女は「にしちょう(西町)へいってくる」という書き込みを残したまま、夜になっても帰ってこない。 何かあったのではないかと、多くの人間が捜索にあたった。 私も、大人から止められてはいたけど、心配だったのでこっそり探し回っていた。 結論から言うと、この失踪事件は思わぬ結末を迎えることになった。 西町とは逆方向にある東町で、遺体が発見されたのだ。 ――うちのクラスの男子の遺体が。
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