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実際、ありさはクラスの別の女子に内緒で呼び出され、西町の雑木林に行っていたのだ。 しかし、その捜索中に加藤ヨシアキという別の男子も行方不明になっているとの知らせが入った。 しかし彼は、普段から勝手に出かけるなどの問題行動が多かったので捜索は後回しになった。 結局、彼は崖から落ちて亡くなっているのが発見されたのだ。 直前まで草に掴まって耐えていたようで、発見された時にはまだ彼の身体には熱が残っていた。 後回しにされずにすぐに捜索されていれば、助かったかもしれない事件だった。 その瞬間、多くの人間の憎悪と憤怒の刃が、下山ありさに向けられたのだ。
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