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「ごめんねぇ。私もこんなことしたくないの。でもね、仕方がないのよ」
ゆかりの口調は、いつもクラスで話しているものと全く変わることがない。
しかし、状況は明らかにおかしかった。
加藤の声は、ゆかりの足元……崖の方から響いている。
暗くなった地面に、微かに加藤の手が見える。
どうやら、崖から落下しかけているようだ。
それを見つめながら、ゆかりはいつもと同じ笑顔を浮かべている。
明らかに、異常な光景だった。
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