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  「あ、こんばんは。玲愛ちゃん」 ゆかりは私に気付くと、ニッコリ笑ってあいさつをしてくる。 目の前でクラスメートが死にそうだというのに。 「そ、それより! 加藤君を助けなきゃ……」 「なんで?」 ゆかりは笑顔のままだ。 「なんでって……だって……」 「加藤君はね? ここで死ぬ運命だったんだよ。だって、いつも問題ばかり起こしてるから」 「でも……」 「人間社会ってね。歩みを合わせることが大事なんだってママが言ってたの。かけっこも勉強も、みんな一緒がいいんだって」 そう言ってゆかりは、加藤が使っていた草を足で掘り返す。 「や、やめろよ! 玲愛、助けてくれよ、玲愛!」 悲壮な声が私の耳に飛び込んでくる。 しかし、その訴えが実を結ぶことは無い。 私は耳を押さえ目を閉じる。 数秒後、私が目を開くと、そこに彼の姿は無かった。
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