第3章 疑惑

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俺はわからなくなってきていた。 何がって、ダンの事だ。 アイツがあるとき、「クリス、お前もトシだし、俺にお宝の管理を任せてくれないか?」って言うから、確かにそうかもなって思い、そうする事にした。 何てったって俺は50過ぎのオッサンだが、ヤツは俺が30代の身体に戻してやったんだからな。 しかし、アイツは俺達が盗んできた宝石などをなかなか換金させてくれなくなった。 最初は、体のない状態で、ムショ(刑務所)に入ってた10年ほどの間に、いろいろ考えてそういう慎重さを身につけたのだろう、と思おうとしたのだが…。 そろそろ、「こういう暮らしをやめて普通の暮らしがしたい。」とか言い出しやがった時には、さすがに、このままではマズイと、頭の回転が鈍くなり出した俺様でも気づいた。
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