第2章

3/3
前へ
/10ページ
次へ
罪悪感が、薄れたことが良いことか、悪いことなのか、僕には分からなかった…。 ただただ、なんとも言えないやるせなさが、ぐるぐると僕の胸の中でぼやけながらも、消えずにいた。 「お兄ちゃん、どうしたの…?」 不安そうな女の子…。 いや…。 僕の妹を抱き締めながら、 「何でもないよ。ただ、王様の所に行こうか、悩んでただけ」 と言った。 妹はスゴく寂しそうな顔をしながら、 「絶対…。絶対に帰ってきてね?魔物に倒されるなんて、嫌だからね?」 と言った。 妹の肩が震えていた。 本当はこんなセリフ言いたくないんだろう…。 だって、こんなにも悲しそうな顔をしている。 なんて、この世界は不条理なんだろう。 想ったことを伝えることさえ、できないなんて…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加