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罪悪感が、薄れたことが良いことか、悪いことなのか、僕には分からなかった…。
ただただ、なんとも言えないやるせなさが、ぐるぐると僕の胸の中でぼやけながらも、消えずにいた。
「お兄ちゃん、どうしたの…?」
不安そうな女の子…。
いや…。
僕の妹を抱き締めながら、
「何でもないよ。ただ、王様の所に行こうか、悩んでただけ」
と言った。
妹はスゴく寂しそうな顔をしながら、
「絶対…。絶対に帰ってきてね?魔物に倒されるなんて、嫌だからね?」
と言った。
妹の肩が震えていた。
本当はこんなセリフ言いたくないんだろう…。
だって、こんなにも悲しそうな顔をしている。
なんて、この世界は不条理なんだろう。
想ったことを伝えることさえ、できないなんて…。
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