第5章  冬のオリオン 05

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菜々子をまた後ろから抱きしめて眠った。 もう菜々子の身体に足は乗っけない。 いつも肩から腕を回して胸より上を抱くのに、今日は両手で菜々子の腹を守るように抱いた。 俺は今、菜々子と一緒に俺たちの最初の子を抱きしめている。 月曜。 朝五時半。 昨日人が大勢来て、そのぶんもメシ作って、夜は翻訳をやり、疲れきって、俺にくっついて寝てる菜々子。 しゃかりきになって手伝って、片付けは手を出させなかったけど、それでも疲れただろう。 菜々子の額にそっと口づける。 こんなにも愛おしい生き物がこの世にいるなんてな。 俺は起こさないようにそろそろと俺の胸の上に乗ってる菜々子の腕をはずし、ベッドから抜け出した。
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