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「清水ちゃん…」
「…里沙さん」
「「ごめんなさい!」」
「「え?」」
「…お腹の赤ちゃん無事みたいでよかった」
「うん…やっぱり、清水ちゃんは、私なんかがお母さんになるの嫌かな?」
「…わからない」
「…私が水穂の友達だったのは知ってるでしょ?」
「うん…」
「水穂ね、清水ちゃんが産まれた時嬉しそうに私に連絡してきたよ?それと…」
「…それと?」
「私に何かあったときは娘をよろしくって」
「…」
「…今はまだ認めてもらえないかもしれないけど、ちょっとずつでいいから」
「…友達から」
「うん?」
「今はまだ『お母さん』って呼べないから…友達から始め…たい」
「…それで充分だよ!今までの分いっぱい仲良くしようね?」
「うん!よろしくね里沙!」
「清水ちゃんの笑った顔…水穂にそっくりだね」
* * * * * * * * * *
「…ということがありました」
「良かったな~」
「…なんで私達に相談してくれなかったのよ~」
「喜美野…俺達に相談されてもなにもできないだろ~」
「…話を聞くくらいなら」
「何はともあれ、清水と里沙さんの仲がなおって良かったぜ」
「まずは、友達みたいな関係だけどね~」
「弟か妹ができるしな~」
「うん!すっごく楽しみ」
「大河様…親と仲が良いのは喜ばしいことです」
「西田さん?どうかしたんですか?」
「…いえ、私事ですのでお気になさらず」
「これでエトセトラが全員そろったな」
「仁…部室どうすんだよ?」
「…今から考えよう」
「仁くんしっかりしてよ~」
「…ごめん」
「いいから、早く探しに行こうぜ?」
誰もいない放課後の教室からエトセトラのメンバーは出ていく
「清水?どうした?」
「…先に行ってて~」
「早く来いよ?」
犬ちゃんも出ていって、私だけになった
「…ありがとう」
誰もいない教室で一人つぶやく
『いいお友達だね、し~ちゃん?』
「え?」
振り向いても窓のカーテンが揺れているだけだった
『気のせい?』
お母さんの声が聞こえたような気がした…
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