ハジマリ

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「麻奈穂少し冷たくなったよね」 「いきなり何??」 核心に触れようとしたその時だった。 ――ヒラヒラ。 2人の間に1枚の紙が上から落ちてきた。落ちてきたというよりは何かが不自然すぎた。 「何これ?」 「風に飛ばされてきたんじゃない。さっき通った小学生のかもしれないし」 「テストとかって言うベタな展開だったりして」 裏返してみてもそこには文字1つ書かれていなかった。 最初に手を伸ばした鼎は麻奈穂に見せようとするが……誰もいなかった。手に持っている紙の上なのか、わからなくなってしまっていた。 「…麻奈穂??」 「初めましてお嬢さん」 振り替える。気配すら感じさせず、そこに立っていたのは、真っ暗の男。 全身を黒に包まれているが、所々に繊細なデザインがあって一瞬騎士のようにも見えた。 「あなたは誰??……何がどうなったのよ」 「図々しい小娘だ。自分から名乗るが礼儀だろう」 どうやら騎士に見えたのは只の錯覚だったらしい。 「…………あたしは大宮鼎(おおみやかなえ)よ。 いきなりで何が起きたのか知らないけど、あなたが知ってるなら教えて…下さい」 ふつふつ溜まる怒りを抑えつつ話す。 「私は、死刑執行部隊第一部隊隊長ルファンディル・ハートネットだ。お前の穢れた魂をもらいにきた。」 「しけい…しっこう……魂をとる」 馬鹿みたいに言われた言葉を反芻し、頭に情報を入れ込む。言葉が重たくて、はたしてこれは現実なのか。
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