Bank Robbery

２

銀行から、婦警が死角になる位置で装甲車が止まり、後部ハッチから、盾を持った２名のＳＷＡＴが飛び出す。

さらに、２名の隊員が婦警の元に走り寄り、婦警を装甲車の中に担ぎ込もうとした。

「ロイス、ポイントＡ、続いてＣに」

京子は、ロイスの呼吸が調うのを待ち、射撃のタイミングを計る。

「ファイア」

大きな発砲音が行内に響くと同時に、京子の覗いている単眼鏡の中で、狙撃手の左肩に着弾が生じる。

「確認、続いてポイントＣへ…」

さらに行内に銃声が響く。
京子は、単眼鏡の中で狙撃手が左肩を撃たれ、その衝撃でライフルを放り出す姿を確認する。

２発目の銃声が響きわたると同時に、クリントンが行動に移る。

クリントンは、サーマルサイトを装着し、銀行正面入口に向かいダッシュすると、装甲車にむかい、低い姿勢でスモークグレネードを投げる。

「グレネード！！」

車外に出ていた隊員が叫ぶ。
クリントンは、黄色い煙りが装甲車を包むより早く入口から射撃を開始する。
サーマルサイトに、赤外線映像で映る、ＳＷＡＴ隊員のくるぶしを狙い、ＭＰ５のトリガーをダブルタップで絞る。

婦警に肩を貸していた隊員の一人が、くるぶしを吹き飛ばされて倒れる。
クリントンは次に、盾を持った隊員に狙いを定め、僅かに露出していた右肩にダブルタップで射撃した。
初弾は盾に当たったが、次弾が隊員の肩に命中した。
クリントンは、自分の戦果に満足すると、素早い動作で行内に引き返した。