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約30分程、人質となった職員や不運な客から、個別に聴取を行った結果、犯人達の事でいくつか分かった事があった。 人質となった行員の1人が、湾岸戦争時に、犯人の1人を見た事が有ると言ってきたのだ。 彼は当時、湾岸戦争に従軍し、CIA所属のスナイパーをヘリで向かえに言った事があったそうだ。 そのスナイパーが、犯人グループのメンバーに参加していると言ってきたのだ。 さらに、犯人グループは総勢5名、内1名は女性である事と、彼等の装備の一部が分かった。 「署長……、奴らはかなり手強い相手だと思われますよ」 「ああ…… 取り敢えず、CIAに連絡して犯人の情報を貰うとするか…… マーク、君達は暫く待機していてくれ」 「解りました。動きがあるまでは、現在の警戒レベルのまま待機します。こちらも何か解ったら伝えますんで」 マークはそう言うと、署長と別れ、レストランへ戻って行った。 いつもであれば、上空でうるさく飛び回るマスコミのヘリが、強風のせいで今日は姿を現さない。 何であれ、こちらの作戦の障害になるマスコミが少ないのが救いだな…… マークはレストランの扉を開け、カウンターに座ると、次におこるであろう事態を想像し、作戦を練った…… それから30分、何事も起こらないまま、普段はひっそりとした田舎町に、夜が訪れる。 平常時であれば銀行も営業を終了し、マーク達がいるレストラン位しか明かりの目立たないこの田舎町も、今日は、銀行を照らすパトカーのヘッドライトや、投光機のせいで銀行周辺は、昼間の様に明るかった。 マークが、銀行内部の青写真を眺め、今日6杯目のコーヒーに手をつけようとした時、レストランの扉が開かれ、署長のニールと、黒い背広を着た、長身の男が入ってきた。 「マーク、こちらはCIAのヒューイット捜査官だ……」 署長のニールに紹介され、ヒューイットが右手を延ばす。 「今後、私達CIAが現場を取り仕切る事となった。 マーク、これから君達は、我々のアサルトチームと合同で、銀行内部への強襲を行ってもらう。 犯人は全員射殺して構わない。 叩き潰せ!」 マークは、このCIA捜査官を殴り飛ばしたい衝動にかられたが、黙ってヒューイットの差し出した右手を握り返した。
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