綺麗な涙

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放課後。 渡辺っていう男子が、補習をしている瑠衣に聞いていた。 「…なぁ、お前と春歌って付き合ってんの?」 って。 突然の事で、 驚きすぎて、 俺は瑠衣に勉強を教えるつもりで来たのに、固まってしまった。 瑠衣とは、付き合ってない。 何度も言うけど、俺が勝手に好きなだけだ。 好きで。 大好きで。 勝手に想いすぎている。 だから、期待してしまう。 瑠衣ももしかしたら…って。 いつまでも浅はかな想いを燻らせたまま。 だけど、この質問に答えられたら… 瑠衣が俺を友達としてしか見ていない事が分かってしまう。 ……だけど俺は、 金縛りにあったように… 動けなかったんだ。
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