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「…ねぇよ。
男同士だろ?」
その声が聞こえた途端、俺は石弓に弾かれたみたいに体が跳ねた。
瑠衣の声から逃れるように、教室の前を立ち去る。
瑠衣はまだ喋っていたけど、このまま聞いていたら
柄にもなく泣いてしまいそうだった。
瑠衣、無いって言った。
俺の事、拒否、したんだよね?
「…はは、当たり前じゃん…」
俺が、瑠衣の事を好きなのは、
気持ち悪い……?
瑠衣の側にいたいのは、
気持ち悪い……?
俺は、
気持ち悪い……。
校門まで一気に走った。
校門前に立って、自分の教室辺りを見つめた。
オレンジ色に照らされた緑の葉が、風に吹かれて落ちてくる。
もちろん、気づかないだろうけど
瑠衣、ごめん……。
勝手に好きになって
気持ち悪い事考えて、
ごめん……。
もう、やめるから。
瑠衣の事、好きなの、
やめるから。
普通の友達同士みたいに、
頑張るから…。
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