君トノ欠片

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今日……にしよう 考えがまとまった時、人の気配がした。 あるわけがない、だって俺は独り暮らしをしているのだから。 逆に人の気配があるはずがない。 勢いよく顔を上げるとそこにはアイツが居た。 しかも平然と… 居るわけない。 おかしい…だってアイツは………………、 「よっ、鍵開いてたぜ?不用心だなぁ~」 嗚呼そうか…………… 自分が死んでいることに気づいてないのか…… 悲しくなった。 寂しくなった。 辛くなった。 アイツが来た理由はどうやら昔預けたピックを返しに来たらしい………… これが………最後。 そう分かった瞬間脈が荒れる。 『………触れて…いいか……?』 触りたい…アイツを 戸惑いながらも了承してくれたアイツの手を優しく壊れないように握る。 アイツの手は、前と違って冷たかった。 「暖かいな………」 『………お前は…冷たいな………』 まるで死んだかの様に…
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