君トノ欠片

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『俺も、好きだったっ……、ずっとっ…ずっと好きだったっ……!!』 やっと…やっと…………気持ちが通じた……っ 好きだっ 嬉しすぎて、悲しすぎて俺は泣いた。 歳を取ると泣きやすくなるな……… 高校の時とあまり変わらないアイツの体を優しく壊れないように抱き締める。 アイツも答えるように抱き締めてくれる。 嬉しいっ………幸せだっ…だから、行かないでくれ……俺を置いて行かないでくれ… ホントに、 『大好きなんだっ……、好きなんだよっ…っ…、』 大好きなんだっ… お前が居ないと………… 止まらない涙をよそにあふれでる感情にどうしたらいいか分からなくなった。 『ごめんなっ………ごめんなっ…、………っ』 気づかなくてごめんな、 一人にしてごめんな、 先に逝かせてごめんな、 だから、逝かないでくれよ。 『………ありがとう……』 その言葉と一緒に目の前の人物が消えた。 淡く……静かに………… 『あ…………、…っ…ぁ…』 逝くな、やだ……… 駄目だ、逝くんじゃ………… 『ぁあ゙あぁぁあ゙ああぁぁぁぁああ゙あ゙ああ゙ぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!』 嫌だ……っ、 嘘だと言ってくれ……… 前みたいに笑顔で出てきてくれよ………っ 溢れ出る涙を止めることなく、床に膝を付き泣き崩れた。 後悔しかないこの気持ちを床に叩きつけるかの様に拳を降り下ろす。 ごめん ごめん、 ごめん、 『ぅう…、あ……あぁああ゙!!!』 後悔してもアイツはもう帰ってこないのに……… 最後にアイツは笑ってた、泣きながら。 だから、俺も笑わなきゃ…アイツが悲しくないように。 大丈夫だ、……頑張って生きてみるよ、 だから、笑ってろよ……? 『ありがとう、ばいばい…』 ―end―
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