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「水島先生も食ってみたら?」
「え、はい。いただきます」
口許がニヤケてしまわないように、女みたい……という言葉を脳内から追い出して、俺もそれを口の中に放り込む。
それはすぐに溶けて、咥内は即チョコレートの甘ったるさで一杯になる。
けれど椎名先生が言うように、身体の芯からほっとする感覚が全身に広がった。
「うまいっすね」
「だろ?」
普段はあまり甘いものは食べない。
嫌いではないけれど好きでもないから。
でも今はこの甘すぎるほどの甘さにほっとしてしまう。
そんなに感じてはいなかったけれど、実は俺、疲れてんのかな。
まあ、心臓がばくばくとうるさく鳴り響くほどに緊張していたしな。
それを乗り越えてどっと疲れてしまったのかもしれない。
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