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「実は俺も想像できねぇ」
というのが今の正直な気持ちだった。
「そんなんで大丈夫なのかよ」
からかい気味に言ったアキラは、もう既に目が据わっていて……
そのままテーブルに突っ伏してしまった。
アルコールに弱いくせに熱燗なんか煽るからだ。
「つーか、航は何の教科を担当すんだよ? 体育?」
確かに喧嘩ばっかしていた俺のイメージとしては体育なんだろうな。
でも実際は
「数学」
俺がそう言ったとたん、一瞬、この場の空気が止まったあと……
「あははは」
という笑い声が響き渡り……
「航が数学!? あー、やべっ、マジでウケるっ」
「一番あり得ねーだろ」
「授業しながら生徒に教わるんじゃねーの?」
なんて、馬鹿にした声が飛び交った。
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