教師

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それでも、ばくばくと動いている心臓を押さえながら、なんとか話し終えることができた。 とりあえず新任教師ということで、一年生の副担任を任され…… そして、何クラスかで数学を受け持つことになった。 *** ガラガラッ…… 俺が深呼吸をしたのを見届けてから、俺が受け持つクラスの担任である佐々木先生は『一年六組』と掲げられた教室のドアを開けた。 それと同時に中にいた生徒の視線を一気に集める。 そして一歩足を踏み入れたところで、 「起立!」 と号令がかかり、ドアを閉めて佐々木先生が教卓に出席簿を置くと、 「礼!」 全員で頭を下げたら、 「着席」 みんなが椅子をガタンッと鳴らしながら腰を下ろした。 クラスの生徒をぐるりと見回しながら、副担任という位置ではあるけれど、ずっと夢見てきた光景が目の前にあることに、じーんと胸が熱くなる。 今にも溢れてきそうな涙を堪えるために、ぐっと歯を食い縛った。
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