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そして佐々木先生は小さく息を吐いたあと、軽く自己紹介をした。
そして俺に向けられたいくつもの視線。
俺も自己紹介をしろってことだよな。
その場で一歩前に出る。
「副担任の水島です。教師としては君たちと同じ一年生だが、君たちが悔いのない高校生活を送れるよう一緒に頑張っていこうと思う。よろしく」
俺が高校時代にした後悔をこの子達にはしてほしくないと思う。
それをこの言葉に込めて伝えたつもりだけど、伝わっているだろうか。
じっとこっちを見て耳をすましている者もいれば、窓の外を見やりながらふわあっと欠伸している者もいる。
まあ、教師の話なんて聞きたくないっつうのが本音だろうな。
気持ちはわからないでもない。
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