ボーナスミッション

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はぁ、だるい。 重い頭を起こし時計を見た。 6:00。まだ大丈夫だ。 寝ぼけた顔を起こすため顔を洗う。銀の長い髪が水に濡れ、輝きを増しまるで銀河のように見える。 この髪の持ち主が女だったらと同級生は揃いも揃って漏らすのだ。……一人を除いて。 そいつとは軍が違うのだが、今は思い出したくないため忘れよう。 腰まである長い髪を高い位置で束ね朝食の支度をした。 テレビでは一般的な報道とこの学園独自のニュースが流れるのだが俺は学園のを毎朝見ている。 正直、朝に流すには気味が悪いニュースも流れてくるのだが俺は情報担当だ。情報は見逃したくはない。 朝は軽いのが好きだ。出来たてのトーストにりんごジャムを付け、スープとサラダも準備。朝は大体このスタイルだ。 サクッ、サクッ、サクッ。出来たてのトーストがリズムよく口の中へと運ばれる。美味い。 『昨日の死亡者のお知らせをします』 学園ニュースの一番はまずこれ、昨日の死亡者。 この学園ではミッションがある。 学年、個人レベル、軍によって様々なのだが存在する。 簡単に言うとバイトだ。ミッションのほとんどが高額な報酬になっているためミッションを受ける学生は少なくはない。 それに、このミッションで良い成果を得れば自分のレベルもぐんと上がるという一石二鳥なシステムになっている。 これだけだと響きはいいのだが甘くは見てはいけない。 高額ということはそれだけ危険であり、命を落とす可能性だってある。 軽い気持ちで受けると死ぬ。それを狙って学園は入学者を多くし、多額な入学金を貰いまだ戦闘を知らない青い学生の半数をミッションで減らす。 ミッションを受けるのは個人の責任。学園側は一切責任を取らないと同意書の一文に書かれてあるのを誰も知らない。 同意をしたのは彼ら。だから学園は責任を取らない。これが武器だ。
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