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「とりあえず、宝探しとなればパーティの人数は多い方がいいだろう。報酬額は減るが……」
場所にもよるのだが宝探しとなればソロは不利になる可能性が高い。途中からソロにもなれないのだからたとえ一人で行動していてもパーティになる。
例外もあるがそれはまた今度で。
「え、増やすのッ!? せっかくのデートなのにッッ!!」
「気持ち悪い」
何だよデートって、気持ち悪い。
食べ終わったため食器を片付けていると隣にちいが来た。
「トーストのお礼! あと二人でやれば早くデー……じゃなくて参加登録できるからッ!」
そう言っては食器を洗ってくれた。優しいのか変態なのかなんなのか……。
まぁ、早く終わったことには変わりはない。
「支度するから待ってろ」
「白夜の生着替えとかマジ待機ッッ!!」
「黙れ」
また気持ち悪い言葉が聞こえたが無視をし制服に着替えに向かう。
純白の学ランを手に取り、ふと思い出す。これは何回買い替えたやつなのだろうか。
俺の武器はダガーナイフなため接近戦になり返り血を浴びてしまう。その晩何回も何回も擦ったり洗ったり、なるべく目立たないようにと漂白剤を使ったりして洗ってきたりした。
それでもダメなら買い換える。これの繰り返しだ。
この長い銀の髪もそう。色は落ちているのだが血の臭いは取れない。皆には臭わないかもしれないが俺だけには臭う異臭。
学ランのボタンを留めている手が止まる。
「白夜? あ、留めれないんだッ!よし、俺が丁寧に留め--」
「自分で留めれる」
ちいの言葉にハッとし、我に返ったのだが変態発言には変わりないため言葉を遮る。
着替え終わると部屋から出て玄関へ。
同室をしている相手もいつ帰ってくるかわからないため鍵を閉めていく。
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