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魔神が雄叫びを上げ
迫ってきた
それに答えるかのように
俺も吠える
此処は通さない
残りの魔力を使い身体を強化し
グサッ…
身が千切れ激痛が走り、
魔神の腕が自分に刺さっているのが見える。
息をするのが辛い。
俺「っカマぇた…」
全魔力を
全生命力を
魔神を灰にする。
灰に!
黒焦げになった魔神を見る。
霞んできた。
バタッと言う鈍い音が前方から聞こえた。
目の前のそれは、人の形をしていた。
禍々しく深い闇の色をしていた曇天が晴れる。
眩しい。
やってやった。
と呟くが既に俺の身体も傾いていた。
深呼吸をする。
空気を精一杯吸うが、
喉を通る空気は行く宛もなく、
体外へ出ていった。
先ほど開けられた胸の穴から。
気が遠くなって行き…
最後に聞こえたのは
一生、一番聞きたくなかった泣き声だった。
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