閉村

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「それは……… も、もう決まった事ですか………?」 とある老人は、 武骨で錆びたパイプ椅子に座り尽くし、 呆然と目の前にいる役人の顔を見つめた。 あまりに突然な、衝撃的な決定に、 彼は言葉を失う。 「全村が……ダムに沈むと?」 「………残念ですが、決まった事です。 この決定は………覆すことができない。」 沈痛な面持ちで、スーツ姿の役人は言う。 ………そう、 老人の耳に飛び込んできたのは―――閉村の宣告。
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