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母さん。あんなやつのどこがいいの。
『なぁ、お前一人?』
突然かけられた声に驚いて振り向くと、黒い帽子をかぶった腕白そうな男の子がいた。同い年くらいだろうか。綺麗な瞳の色をしていた。
『俺、今日親が帰ってこなくて暇なんだよね。遊ばねぇ?』
『……なんで?』
『今言ったじゃん。暇なんだってば』
『なんで私を誘うの?こんな時間に女の子が一人でいて、不思議だと思った?』
男の子は楽しそうに笑った。
何で笑ったのか、私にはわからなかった。『……なんで笑ってるの?』
『いや…、確かに不思議だなって思ってたけど。お前すごいなんでなんで言うなぁ』
『ッ!』
馬鹿にされたのだと思った。
父さんと同じように。
うるさいと、感じているのだと。
『……あれ、怒らせた?ごめん!』
『………』
男の子は何か考え込んで、突然私の頭をがしがしとかき回した。
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