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『ごめんって。馬鹿にしてるとかじゃねぇから』
『………うるさい?』
男の子は私の呟きにきょとんとしたような顔になった。
そして、太陽みたいに眩しくて暖かい笑顔になって言った。
『ぜんっぜん!いいんじゃない、好奇心あって』
………はじめて、認められた気がした。
母さんにも似たようなことは言われたけど。
何かが違ったのだ。
私は嬉しくて。堪え様がなくて。少しだけ、泣いてしまった。
『……あ、もしかしてお前隣ン家の子?どっかで見たことあるなって思った!』
『え………』
私には見覚えがなかった。
というか、隣の家なんて気にかけたこともなかった。
『お前、名前なんて言うの?』
『―――和葉』
『俺、耕祐な!遊ぼうぜ、和葉!』
それが、私と耕祐が出会った日。
そしてその日。
父さんが、母さんと私を置いて出て行ったのだった。
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