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「でさ、私思うんだけど、こんな田舎の中で寂しく死ぬよりも都会に行ってぱーっと騒いで死んだ方が得じゃない?」
「りっちゃん、良いこと言うね~」
「でしょー?小鞠はどう思う?」
綺麗な黒髪のツインテールを垂らして、りっちゃんが首を傾げる。なるほど、男はこうやって堕ちるわけか。
「私はまだ分からないよ」
「もう、またそんなこと言ってー。小鞠はこんな田舎で良いわけ?」
「ま、それが私に与えられた運命ならね」
「…小鞠、今日は一段とかっこいい」
「ありがと」
りっちゃんは、私の答えに未だ不服そうに口を尖らせているもそこは長年一緒にいた勘。機嫌の取り方は分かっている。
「ほらりっちゃん、今日の分のノート貸してあげるから許して」
「ほんと!?小鞠だけだよぉ私の味方は!夏輝や里依紗はノート貸してくれないんだよ?!」
「授業中に寝てる立夏が悪い」
「小鞠、甘やかしちゃダメだよ~」
「皆ひどい!」と叫んで更に私にしがみついてくるりっちゃんに苦笑がこぼれるも、こんな風に皆でぎゃあぎゃあする時間が私は好きだった。
「あ、じゃあ私ここで」
「バイバーイ!ノートありがとね!」
「小鞠、もう二度と貸さなくていいぞ」
「いいぞ~」
「はは、それは保証できないかも。じゃあ、またね」
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